2005年01月08日

事業再生と敗者復活 [ 読了本 ]

事業再生と敗者復活
八木宏之著
2004 講談社

バブル崩壊後の世の動きとして、
1996年に住宅金融債権管理機構(現在は整理回収機構)が出来、
不良債権の回収が強行され、不景気がますます甚だしくなった、
という認識を持っています。
中坊公平氏の登場と退場とがマスコミであまりにも大きく取り上げられ、
その印象が強く、そのままとも言えます。

この本を読み、その後の動きを知り、大変驚きました。
債権「回収」ではなく、事業「再生」を目指した本質的な流れが始まっている。

次のように様々な法律が出来、施行されています。
1999 債権管理回収業に関する特別措置法
1999 産業活力再生特別措置法
2000 民事再生法
2000 特定調停法
2001 会社分割法
2003 中小企業挑戦支援法
2003 産業再生法

そうして、2003年に、
産業再生機構、中小企業再生支援協議会
が発足する。

この新書は、これらの法律とそれに基づく組織とが、
どういう意味を持ち、どのような効果を持つものか、
具体例で紹介するものです。
話が金融方面に寄って、素人には難しいのですが、
それでも、概略はおぼろに見えます(笑)

中小企業再生支援協議会の窓口に、銀行OBや弁護士・税理士が配属されても、
それで良し、とはならない。
ここで問題になっているのは、法律問題・税務問題を含んではいても、
実務問題なので、
本質的な経営が求められているようなのです。

戦前から引き続いてきた日本的システムが今、根幹から崩壊し、
新しいシステムが作られようとしている。
債権者と債務者とは対等に向き合い、債権者もリスクを負う。
70年代から80年代にかけ、欧米で整備されたシステムが、
ようやく日本に入りだした。
無論、上記の法規などには、まだまだ不備があるようですが、
流れを変えるものであることに違いはありません。

デフレの時代に入って、私たちは、
これまで知らず知らず身に付いた常識を捨て、
新しい考え方を学ばねばならないようです。

今回の長引いている不況は、多くの自殺者を出し、
多くの若い人の未来を奪っているといっても、過言ではないでしょう。
事業に求められるスキルが、今の若い人の中で育っていないとしたら、
将来の日本での事業はどうなるのでしょうか?

数え切れない程失われた多くのものを取り戻すため、
私たちは、早く仕切り直しをし、学び、行動に移さなければならない、
と痛感します。

読んでいるうちに、書いているうちに、熱くなってしまいました(汗)
この本を、一人でも多くの方々に読んでいただき、
一日も早く世の中が良くなって欲しい。

この本によれば、中小企業が、
全企業数の97%、全就労人口の73%、全売上高の43%を
占めている。
私もその一員。
土曜日にがら空きの道路を通って出勤する事が多いし、
ボーナスはもう何年も出ていない。
地元の地方公共団体が財政難と言っても、
ボーナスが出るニュースを聞くと、
「ホンマか?」と問い詰めたくなります(^^ゞ

マスコミだけでは、知るべきことがアンバランスになるな、とも感じさせられましたね。
読み終えて、ちょっとだけ、気持ちが明るく、軽くなりました。

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